時代の流れとかっぱ様


阿久悠がアイドルという言葉を作って約30年。
30年前のアイドルは若者の通過儀礼的存在であった。
可愛い女の子が、露出度の高い衣装を着て、
共感し易い、時代を掴んだ歌を歌う。
そりゃ思春期の男は引っかかるわな、と
そしてそんなアイドルの集大成
それがおニャン子クラブであった。
秋元康は気付いたのだ。
実はアイドルに歌はさほど重要ではない、と
そしてもう一つ
絶対的なエース一人を選ぶのは大変だ
それに100人男がいれば100人の好みがあるわけだ
だからたくさん集めて
皆が自分の好みにぴったりなメンバーを推せばいい、と
食堂形式からカフェテリア形式への転換である。
そうしておニャン子クラブは爆発的なヒットをし
そして…アイドル界の灯を消してしまった。



アイドル界の灯が一度消えたのは
別に秋元康だけの所為ではない。
あのバブル期の内需拡大のために
広告代理店及びマスメディアが作った
恋愛資本主義の所為でもある。
女はアイドルを好きになるような男を
恋愛というゲームの盤上に上げず
男が遠くのアイドルではなく
近くの一般人に恋愛の名の元
お金を使うようになった。
そんな時代の流れとともに
おニャン子クラブに代表される粗製品による
アイドルという商品全体への信用低下
これらによりアイドル文化は瀕死を迎えた。



そこに現れたのがモーニング娘。及びハロー!プロジェクトであった。
従来のアイドルより歌とダンスを強化することで
これはアイドルではない、という逃げ道を作ることが出来た。
それだけではなく
行けば歌とダンスとアイドルが同時に楽しめる。
1粒で3度美味しかった。
そしてこれが…爆発的に売れてしまった。
そう、つんく氏は平成の阿久悠になりおおせたのだった。



が、しかし
ここで再び現れたるは秋元康
そして…時代の流れである。
秋元康は再び提唱したのだ。
アイドルにとって歌(とダンス)は不純物である、と。
そしてAKB48を結成させた。
いや、最初は不純物だなんて思っていなかったのだろう。
彼も最初はおニャン子クラブに歌とダンスをきちっとさせたら…
そう考えていたのだろうと思う。
しかし何時の頃からか
再び彼はおニャン子クラブの路線に舵を切った。
そして更に時代が彼を後押しし始めた。



20年前、恋愛資本主義によりアイドル文化が敗れ去った。
そしてこの20年間で
恋愛資本主義の流れに乗れない人間
所謂『非モテ』という種族がかなり蓄積されてしまった。
そう、20年前、皆が恋愛資本主義に流れたが
恋愛資本主義というものが時の流れとともに洗練されてしまい
最早ついていけない男を大量に生み出してしまった。
そして彼等の受け皿になったのが
アニメ、ゲームなどの2次
そしてアイドルであった。
恋愛資本主義にソッポを向いた彼らに
歌やダンスなどのエクスキューズなど必要はない。
ただ、擬似恋愛の対象として完璧であればいい。
ダメならまた換えればいい。
まさに今の秋元イズムに合致する。
そう、時代の流れが秋元イズムのほうに来ているのだ。



以上より、ハロー!はAKBに負ける日はそう遠くないのだろう。
20年前、阿久悠秋元康にやられたように
つんく秋元康に負けるのだろう。
彼の音楽へのこだわり故に。
CDに付いている投票用紙による
人気投票で選抜メンバーを決めるなんてこと
つんくに出来るとは思えない。
例えばベリキュー14人を人気投票で選抜メンバーを決めて…なんてことをすれば
清水佐紀はきっと外れてしまう。
しかし、ステージ上の座標の基準にもなっている彼女を
ステージに上げないとなると
一体、どんなステージになるのだろう?
岡井千聖有原栞菜も抜けてしまうだろう。
彼女達が抜けてしまった歌は
どれほど物足りないであろう。
そう、今のハロー!では出来ない芸当を平然とやってのける。
これが秋元康の凄いところであり
そして時代はそちらの方向へ流れていっているのである。



そこで僕は期待したいのだ。
鈴木愛理
時代の流れを変えて欲しいのだ。
鈴木愛理に時計の歯車を逆転させて欲しいのだ。
彼女の歌で、彼女の存在感で


                 l..:.::::::::::::::::::::::::::::イ      =     =
                    |.:::::::::::::::::::::::::::::: |     ニ= 愛 そ -=
                  |:r¬‐--─勹:::::|     ニ= 理 れ =ニ
                 |:} __ 、._ `}f'〉n_   =- な. で -=
  、、 l | /, ,         ,ヘ}´`'`` `´` |ノ:::|.|  ヽ ニ .ら. も ニ
 .ヽ     ´´,      ,ゝ|、   、,    l|ヽ:ヽヽ  } ´r :   ヽ`
.ヽ し き 愛 ニ.    /|{/ :ヽ -=- ./| |.|:::::| |  |  ´/小ヽ`
=  て っ 理  =ニ /:.:.::ヽ、  \二/ :| |.|:::::| |  /
ニ  く. と な  -= ヽ、:.:::::::ヽ、._、  _,ノ/.:::::| | /|
=  れ.何 ら  -=   ヽ、:::::::::\、__/:::.℃.:| |' :|
ニ  る と   =ニ   | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.|::::Y′ト、
/,  : か   ヽ、    | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.u::::|  '゙, .\
 /     ヽ、 

はあ…るてるてずうぼるてるてずうぼ…