秋葉原の事件を考える

秋葉原のあの事件は本当にいたましい事件であった
お亡くなりになった方のご冥福を祈りつつ
本件のような惨事が再び起こらないよう祈るばかり…
では心もとないので
本件は如何にして起こったか?について考えてみた





本件は一体何であったのか?
それは将棋で言うところの『投了』であろう
つまり最早先に見込みがない
故に終局まで指さずにただちに人生を終える、と
いや、確かに彼は死んではいない
だが、確実に社会的に抹殺はされ
現実的にも死刑は免れないであろう






では何故、彼が投了しようと思ったか?
それは彼が非モテであるからである
そう、今回の事件の本質
それは彼が『非モテである』ということなのである





僕が大学時代、微生物学を勉強していたとき
ウイルスのことを学んだ
ウイルスという生物(厳密な定義においては生物ではない)は
DNAないしRNAの遺伝子と
それを包むタンパク質により構築される殻により構成されている
その話を聞いたとき
コイツは一体、何が楽しくて生きているんだ?と思った
まあ、別に細菌も真菌も何かが楽しくて生きているわけではないだろうが
それにしても、だ
遺伝子と周りの殻だけで
ひたすら他の生物に感染して遺伝子を増やすのみ
それが彼らの活動の全てなのだ
で、僕の出した結論はこうである
あらゆる無駄なものを廃し
もっとも生命として単純な形であるウイルスの行動
これこそが全生物の共通した生命活動の目的である、と
つまりは全ての生物は
自らの遺伝子を如何に維持及び増殖させるか?
そんな生存レースを地球全域で行っているんだ、と
そう結論付けたわけである





ある生物は海から陸地に上がり
乾燥はするもののより直接的に太陽エネルギーを受けることを選択し
ある生物は海の中でより大きくなったり
また、海中で外敵がいないような深度に潜ってみたり
また、ある生物は膨大な数の卵を生むことで
その生存率の低さを補い
ある生物は逆に個体の生存率を上げ生む数を減らす
そんな各種がそれぞれの方法を用いて
この生存レースに負けないように生きているんだ、と
そして単為生殖では遺伝子のバラエティに限りがあるので
更なる進化の可能性を求め両性生殖を行うようになり
更に両性生殖においてより有利な遺伝形質を獲得する手段として
人間には恋愛というものが存在するわけである





話を戻そう
人としての先というものは
まずパッと思いつくのはとりあえず死ぬまでの個体の死
そしてそれだけに留まらず
前述のように生命の目的とは自らの種の維持、増殖であり
詰まるところ自分の子供を作ること
人間の場合、作るだけでなく
育て、そして再び自らの種の再生産を行わせること
更にその次の代、次の代…と繰り返される再生産
これこそが人生における先、というものであろう
この犯人が言っている
『彼女がいれば仕事を辞める必要が無かったし』
『彼女がいれば車を売る必要も無かったし』
『彼女がいれば車のローンもちゃんと払ってるし』
『彼女がいれば夜逃げする必要も無かったし』
『彼女がいない、ただこの一点で人生崩壊』
これはつまり彼が非モテであり
ここから先のビジョンとして彼にあるのは
ただ、自分という個体の死を待つのみであった
故に彼は投了したのであろう
無論、こんな投了の仕方は許されるべくもないが





さて、では彼は本当に不細工であったから非モテになったのであろうか?
それは半分はYesで、もう半分はNoであろう
Noの部分から話そう
彼は25歳で社会人である
つまり対象も普通は社会人と考えて差し障りはないと思う
(一部、僕の周囲にはそうじゃない人間もいるわけだが)
で、そんないい年して人を不細工かどうかだけで判断するのは
芸能人対象ならば許されるが
普通に接する人間に対しそれであるならば
正直、人としての成熟度を疑わざる得ない
そういう意味では彼の言うことはNoである





ではYesと言った理由はなんですか?と
それは経験値の問題である
小学校、中学校、まあ…高校くらいまでは
正直、イケメンが圧勝する
これはある種、当然であろう
それが未成熟というものなのであるから
小学校の頃、確かにモテる奴ってのはいたし
高学年にもなると付き合うだの何だのと言う奴もいた
しかしそれはイケメンだけに許される特権であった
そう、不細工どころかフツメンすらお呼びでない
それが学年が上がるに従い
女の子の方もそういうものに興味を持ち
範囲がフツメンにまで広がって…そうなっていく
そうなっていくわけであるが
不細工には中々それが回ってこない
で、高校卒業…いや、大学を卒業する段階になって
その女性接触(付き合う付き合わない含め)経験が殆ど0であったならば…
女性接触経験が小学生で止まっていたら…





多分、そんなの有り得ない、というであろう
だが世の中には
あ、これはあくまで聞いた話であるが
小学校ではする行動全てが女子の嫌悪を招き
塾では男子のみのクラス
そして晴れて合格した中高一貫校
日本の端っこの(厳密には違うけど)全寮制の男子校
そして行った大学は理系の大学
しかもタダでさえ実習で忙しいのに
家庭の事情で週6の塾講師のバイト
言うまでもなく合コン行く暇なんてない
つーか、誘われる暇もない
で、院まで行って就職したのはバイオベンチャー
研究所は車なしでは行けない田舎で研究員は男性のみ
こんな生活で女性への態度が年相応になるとでも?
ぼ…彼から見れば女性なんて
エイリアンのようなもの
正直、HPLCとの方がまだ心が通わせられるわ!と
ぼ…彼にとって最も親しい女性は夏焼雅なのだ!
何しろ本名を知っている20代女性は
2008年の1〜6月の半年間で
高橋愛松浦亜弥石川梨華三好絵梨香岡田唯なのだ
すげーレベルたけー!じゃなくて
そんな人生を送っていて
女性と普通に接することが出来るのか?と
小一時間問い詰めたい!!!!!!!1
…あ、これはあくまで僕が聞いた例の話である
兎に角、だ
このような例は流石に稀であっても
男子校でなくとも
不細工ゆえにスタートダッシュで差がついて
そのまま遠慮しているうちにどんどこ年だけとっていき
気が付けば経験値はリア充どもがイオナズンを覚える中
メラすら唱えられない状況
さて、こんな女性接触経験値が小・中学生レベルで停滞している人間
しかもこれが小池徹平ならば可愛いとも言われようが
容姿は、その容姿故にそのような停滞を招いたような、そんな容姿
さて、こんな奴、相手になるか?
恋愛対象になりえるか?
無理であろう
ではこの人、どうなるか?





これがね、勉強なら簡単だ
例えば中学校で苛められて引きこもりになった、と
中学は義務教育なんでまあ、卒業した、と
でもその後、高校に行かなかった
そうなっても、だ
大検受けて大学に行けるわけである
確かに普通に中学、高校と行って
大学に行く方が何かとイージーである
しかし、だ
もしその道から外れたとしても
何とでも救済措置があるわけである
本人のやる気と根性で何とでもなる
そう、勉強は一人で解決出来るのだ





それに対し女性経験はそうはいかない
当たり前だが相手が必要である
小学生、中学生、高校生と
そのときそのときに履修できるものを履修しておかないと
大人になってからはそんな履修していない奴は相手にされないので
再履修が基本、不可能なのである
ドルアーガの塔で下の階で宝箱を取らずに上の階に登る様なものだ
初めはそれほど困らない
しかしその先に待つのはクリアーではなく不可避な死のみである
もしドルアーガの塔のゲームをやっているならば
リセットして初めからやり直すであろう





非モテというものは多くの場合、不細工に始まり
(そうじゃないパターンも沢山あるが)
一度、その非モテサイクルに嵌ってしまうと
抜け出すキッカケをつかむのが極端に難しく
そしてこの非モテ状態になると
結局のところ、投了せざる得ないわけである





さて、今回の事件は
一度、非モテサイクルに陥ったならば
再び浮上することは日本の現状では大変困難であり
浮上できず、投了するとき
人はどのような行動をとるか
そのパターンの一つを教えてくれた
そう、家族も彼女もいなければ
何でもやりたい放題なのである
ただ、それに気付くか気付かないか
はたまた、非モテ状態にはまれば
最早投了しかない、ということに気付くか気付かないか
それは人それぞれである
だが、確実に言えること
それは…この日本に今、非モテという存在が確実に増えている、ということ
そしてある事象が起こる確率が一定ならば
その検体数が増えれば増えるほど
その事象が起こる件数は増える、ということである
さて、日本の未来は…
Wow Wow Wowだよねー